「子育て支援は日本を救う」の真意を問う|柴田悠氏2書から読み解く少子化と財政問題

子育て・教育


(この記事は、過去別サイトに投稿した記事の改訂転載版です。)

子育て論・少子化対策論を扱った柴田悠氏による2冊の書があります。
・『子育て支援が日本を救う(政策効果の統計分析)』(2016/6/25刊・勁草書房)
・『子育て支援と経済成長』(2017/2/28刊・朝日新書)

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2書の違いと特徴

2書の違いは、前者が統計データに基づく論述を基本としていること。
新書版の後者は、その統計的な要素を簡略化し、前著の主張・提案を分かりやすく要約している点にあります。
その新書の<第4章 社会保障の歴史から見るこれからの日本>が、社会学者である柴田氏独自の興味深い内容となっているのが特徴と受け止めています。

また、両書に共通の特徴。
それは、この類の書にしては珍しく、子育て支援政策を推し進めるために不可欠な財政・財源問題について、かなり具体的に、突っ込んだ提案をしていること。
それは大変評価できる、評価すべきことと思います。

統計分析結果そのものの妥当性・適切さに関しては、個々の統計手法の有効性・裏付けを信頼できるかもしれません。ですが、複合的で多様な要素の組合せ、反映度、その内容などを考えると、果たして絶対的なものと言えるかどうか。大きな、そして難解な疑問が残ります。
こうした基本的な視点を、本稿の軸に据えて進めていきます。

なお、先述した、新書の<第4章 社会保障の歴史から見るこれからの日本>における論述も取り上げたいと考えています。

それでは、この両書を参考にして展開した5つの記事を、一部修正を加えて、順に紹介していきます。
柴田悠氏著『子育て支援は日本を救う』『子育て支援と経済成長』から考える子育て・少子化対策論」です。

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